
こんにちは。
株式会社スプールのWebディレクターの高橋 雪です。
近年、余剰在庫問題の解決や、EC市場が成熟する中でユーザーの「自分だけの特別な商品を手にしたい」というニーズに応えるため、カスタムオーダー商品を開発する企業が増えています。
本記事では、カスタムオーダーECサイトのトレンドと、成功に導くためのポイントを深掘りして解説します。
カスタムオーダーECサイトの業界トレンド

トレンド1. AIを活用したパーソナライゼーション
AIの活用により、セグメント化だけではなく、 顧客一人ひとりの購入履歴・閲覧履歴・SNSでの行動などを総合的に分析して提案するケースが増えています。
トレンド2. ユーザー体験価値の最大化
ECサイト上でのカスタマイズ体験を「楽しい」工程にし、ユーザーが自分で作り上げた商品に対して特別な愛着を抱けるように設計するなど、ユーザー体験を意識した取り組みが増えています。
トレンド3. ブランドストーリーにエシカル消費を取り入れる
カスタムオーダー商品は、サステナブル素材の選択や、生産工程の透明化など、ブランドの社会的価値を高めることにも繋がります。
素材選択、生産者、生産背景などをSNS(Instagram,Threads,X等)を通じて丁寧に説明するなど、ブランドストーリーの見せ方にも力を入れる取り組みが増えています。
ユーザーがストーリーを感じ取れるようにすることで、共感を通じたブランドロイヤルティと信頼感を高めることができます。
トレンド3. AIによる業務効率化
前述のパーソナライゼーションの他、AIによる「カスタマイズの最適化」「運営効率の向上」などが行われています。
例えば、AIによる需要予測により、必要な原材料の最適調達が可能なシステムを取り入れたり、AIチャットボットによる24時間カスタマーサポートなど、少人数の運営でも高品質な顧客対応を実現できるサービスが増えています。
2. テクノロジーの進化と実装のポイント

ポイント1. AI・機械学習で「収益最大化」と「体験向上」を両立
人気度や生産状況に応じて、価格を自動で調整し、収益を最大化する仕組みが注目されています。
ポイント2. パーソナライズされたUI/UX
利用者の属性や行動に応じて、リアルタイムにサイトの表示内容を変化させる実装が増えています。
ポイント3. オンライン試着・プレビュー
サイズ感や色合いだけでなく、実際の生活シーンでの使い心地や、着用イメージを体感させるサービスが増えています。
没入感の高い体験により、購入意欲やアップセル(顧客単価UP)の可能性を高める施策が増えています。
ポイント4. オンラインとオフラインの境界を無くす
OMO(Online Merges with Offline)と呼ばれる、オンライン(ECサイト)とオフライン(店舗)の融合が進んでいます。
例えば、ECサイトで見た商品の在庫を近くのお店で確認するなど、「スマートフォンやインターネットの便利さ」と「実際のお店や場所での体験」を結びつけて、より楽しく便利にする取り組みが進んでいます。
また、実店舗とEC双方で蓄積したユーザー行動データをAIが分析し、さらに高度なパーソナライズを実現する取り組みが進んでいます。
3. カスタムオーダーECサイトを成功させるポイント
ポイント1.地道にブランドや商品のファンを増やす
近年はカスタムオーダーECシステムを導入している企業も増え、カスタムオーダーECシステム単体で注目される時代は終わりました。
そのため、いくら優れたカスタムオーダーECサイトを作っても、ブランドや商品そのものにファンが付いていないと、成功することが難しいという現実があります。
ユーザーに「このブランドの商品が欲しい!」と指名される必要があり、地道なブランディングやファン作りへの取り組みを行うことが重要です。
ポイント2. デザインとUI/UXへの徹底投資
カスタムオーダーECサイトは、カスタマイズの自由度が高い分、直感的な操作性が不可欠です。
ステップ数が増えるほど顧客離脱率が高まるため、簡潔かつ楽しいUIが必須です。
また、高解像度画像などでリアリティを追求し、最終的な仕上がりを明確にイメージさせる工夫を行う必要があります。
ポイント3. 深い顧客インサイトの活用
アクセスログやアンケート、SNSでのフィードバックを分析し、ユーザーが“どのようにカスタマイズしたいのか” を見極めることも大切です。
企業側の認識と、ユーザーが望んでいる価値とのズレを防ぐために、開発初期から顧客テストを行い、必要機能を優先度の高い順から実装しながら、段階的に改善を繰り返すアジャイル手法もおすすめです。
ポイント4. 「特別感」を訴求するプロモーション戦略
商品が出来上がるまでの工程を動画や写真でSNS発信することで、「ユーザーとともにブランドを創っていく」ことや、制作プロセスの可視化を行うことも、ユーザーに特別感を感じてもらう仕掛けになります。
また、カスタムオーダーでも期間限定・数量限定などの希少性を演出することで、「欲しい!」と思われる商品作りが大切です。
ポイント5. サプライチェーンと在庫管理の高度化
カスタムオーダー商品は、受注後に生産することで在庫リスクを大幅に軽減することが可能です。
ただし、在庫商品とは異なり生産に時間かかるため、サプライヤーとの連携を密にし、納期を短縮する工夫が必須です。
SCM(サプライチェーンマネジメント)と、カスタムオーダーECシステムを組み合わせることで、効率的な生産を行うことが可能です。
ポイント6. ユーザーに寄り添ったサポート
近頃はAIチャットボットやFAQなどで24時間カスタマーサポートを行える仕組みが増えていますが、オンラインだからこそ「人の温度感」を感じられるサポート体制が、顧客満足度向上の決め手になります。
また、カスタムした商品のフォローアップや定期メンテナンス、アップグレード提案を行うことで、継続的な関係を構築することも可能です。
まとめ
カスタムオーダーECサイトを成功に導くには、最新の業界トレンドやテクノロジーを取り入れるだけでなく、顧客が「自分だけの特別な体験」を積み重ねられる仕組みづくりが不可欠です。
- 地道なブランディングやファン作り
- AIをうまく活用して、パーソナライゼーションや顧客満足度を高める
- サプライチェーンの最適化やオンデマンド生産でコストと環境負荷を低減
- 顧客インサイトを踏まえたサイト設計ときめ細やかな顧客サポートでブランドロイヤルティを育む
このようなアプローチを実践できれば、他社との差別化だけでなく、継続的なリピート購入とポジティブな口コミを生み出すことが可能になります。
参考情報:
【業界別】ECサイト成功事例まとめ|14のストアを最新トレンドから分析 (bindec.jp)
2024年にECを取り巻く5つのトレンド(tech.broadmedia.co.jp)
見過ごせない2024年の9つのECトレンド (vti.com.vn)
カスタムオーダーECサイトとは?導入するメリットや課題などを解説 (wakka-inc.com)
売れるECサイトの作り方!これさえやれば売上アップの成功戦略 (ebisumart.com)
株式会社スプールでは、業界トレンドやよりよいユーザー体験を意識した、カスタムオーダーECシステムの開発を行っております。
カスタムオーダーECサイトの制作をご検討中でしたら、ぜひ一度ご相談下さい。
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